犯行グループ名は「コンフィデンスマン」 美人局事件、2被告が恐喝など認める 静岡地裁初公判
10~20代の男女がマッチングアプリで静岡市内などに誘い出した男性に美人局(つつもたせ)の手口で恐喝行為を繰り返していたとされる事件で、恐喝や傷害などの罪に問われた元看護学生(20)と無職の男(20)=犯行当時(19)=の初公判が22日、静岡地裁(益子元暢裁判官)で開かれ、2人は起訴内容を認めた。共謀した仲間同士のグループを「会社」と称し、「社名」を詐欺師集団が登場するテレビドラマにちなんだとみられる「コンフィデンスマン」と名付けていたことが検察側の冒頭陳述で明らかになった。 検察側の冒頭陳述などによると、無職の男と飲食店従業員の男(19)がマッチングアプリを使った美人局を計画し、当初は被告とその友人を誘って4人でグループを結成した。男性に会う少女役の被告は家出中の17歳の「ななみ」という設定で、無職の男が脅し役、飲食店従業員の男が示談の持ちかけ役、ほかの共犯者が運転手役などを担い、メンバーを増やしながらグループの拡大を企てていたという。 男らは「コンフィデンスマン」と称したグループ内で美人局の犯行を「出勤」や「仕事」と称していた。男らはLINE(ライン)を通話状態にしたまま元看護学生と接触した被害者との会話を把握し、ワイヤレスイヤホンを付けた元看護学生に指示を出しながら、合流して現金を脅し取っていたという。 起訴状などによると2人は他の仲間3人と共謀し、昨年10月18日午前2時55分ごろから同3時半ごろまでの間、マッチングアプリで誘い出した男性会社員3人に、未成年を装う被告を深夜に連れ回したとして因縁を付け、静岡市駿河区内の駐車場や海岸で投げ倒して押さえつける暴行を加えてけがを負わせた上、計80万円を脅し取ったなどとされる。
静岡新聞社 配信